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旅: 「東海道・山陽道」 第九節

姫路 → 相生 → 備前 → 岡山 → 長船

四十三 赤穂に入る

 (峠の道からながめると)播州赤穂の山と海は、その城と町を四方から囲んでいる。そして千種川がゆったりと流れ、淡い朝がすみが赤穂の町にかかっている。
 峠を下りきり、赤穂の四十七士を弔おうと町中に入ってみると、昔から伝わっているようなものがここ彼処(かしこ)に見えつ隠れつして、旅情を満たしてくれた。

四十四 相生橋に到り岡山城を看る

 旭川はゆるやかに流れ、きらきらとさざ波を生じ、後楽園の森はこんもりと茂り、その薄絹を敷いたような川面に映っている。
 烏城は(名の如く)晴れた夕日を掩って暗く、おもむきを格別にしているが、遠くから橋のたもとまでやってきたこの私に、何ごとか語りかけてくるようだ。

四十五 社友を募らんと欲して一日青山氏の故郷に遨ぶ

 備前焼と長船の刀の匠(たくみ)はともに古い歴史を持って有名であるし、山の景色はおだやかなたたずまいの中にある。それが君の故郷である。
 一日中、君の案内で一緒に家々を訪ね、どれだけ吟じたろうか。
はっきり言えることは、今日一日という短い時間の中で、あふれるほどの良き友に出会えたと言うことである。(これは言わば君の人徳の成すところだ。)

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