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新潟行 > 第二節 > 神田明神

旅: 「新潟行」 第二節

神田明神

o神田明神…江戸時代より明神様と呼ばれ、縁結びの神様として親しまれてきた江戸総鎮守。東京都千代田区外神田二丁目。

o破暁…明け方。

o春寒…春先の寒さ。

o孤羇…独り旅。

詩意

解説

 平成十六年三月二十一日(日)、日本橋より蕨に一泊して浦和へ向かう予定。朝六時二十三分鶴見を発して東京へ。六時五十五分東京駅より歩き出す。正式には新たな出発地点は日本橋だ。 先ずは駅より日本橋まで。迷いもせず日本橋に着くと朝の光景をスナップに納めた。一月に家内と歩き着いたことが思い出される。今度は独りだ。
 どうも調子が出ない。腹具合も良くない。神田駅で構内に入りトイレを使う。旅姿でうろうろするといつもの駅でないような気分がするから不思議だ。ままよ、歩を進める。
 歩くとすぐに神田明神に出くわした。私は初めて歩くコースだから何事も新鮮である。神田明神があればその向かいが湯島聖堂である。
 湯島聖堂には私も所属している全日本漢詩連盟の本部が置かれている。それが昨日の二十日、近くの東京ガーデンパレスに於いて総会が開かれ私は出席した。だから、地図に不案内の私は「お茶の水で降りて橋を渡って……、」道を間違えないように行ったのだった。
 何だこのようになっているのか?!他方から歩いてくると地理感が明瞭になる。
 こんな所だったかなー。
 朝八時前の神田明神はひっそりとして、今まで一二度参詣しているイメージとは異なる。社務所もまだ雨戸をおろしたままだ。一人お賽銭を投げ、旅の安全を祈った。
 気はあまり乗らないが一吟して気合いを入れようと思った。と、そこに人が見えた。先程から居られたらしい。私はカメラのシャッターをお願いした。
 挨拶を交わすと、遠く石川県より出向いたとのこと。 
 何時までも続くこの不景気に、打つ手が無く神田明神にわざわざお参りに来られた由。
 「本当の神頼みですよ!」
言葉には元気がなく、心を察しようとするも、お気の毒に思うばかりである。
 それに二人ともどうやら社交的でもない。それでもお互いに気を遣いながら話を交わすことが出来た。
「私は何回かに区切って良寛さんの庵まで歩くんです。九州まで既に歩いたんですよ」
「お元気ですねー」
 羨ましげな明るい表情がちらっと見えた。エーイままよ!
「一吟聞いていただけますか?」
 私は「寒梅」を精一杯の気持ちで吟じた。まだ閑寂な境内に快く響いたようだ。彼は、  
「イヤー、来て良かった。気が少し晴れるようです。遠くから来て御利益もあるかも知れない」 
 お顔にぽっと赤みをさして言った。精一杯の表現だと思った。
 東北大震災から一年目を迎えた今、この稿を書いている。景気は回復しないが、何かが変わっている。日本と日本人の良さに目を凝らす世にしたいものだ。

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