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漢詩で綴る旅だ
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東海道・山陽道 > 第五節 > 二十二 吟行道中感有り

旅: 「東海道・山陽道」 第五節

静岡→藤枝→榛原→掛川→磐田→弁天島→豊橋→岡崎・世尊寺→知立→名古屋・熱田→一宮→木曽川

二十二 吟行道中感有り

o遊敖…諸国を旅する。
o渉歴…いろいろ体験する。
o古道…旧東海道のこと。
o風情…人の様子。心ばせ。心にいだいているおもむき。
o感佩…深く心に感じて忘れない。
 

詩意

色々な土地を通り、諸々の体験をしながら旅を楽しんでいるが、旧東海道沿いの人の心ばせには感動して忘れがたいものがある。
 私が吟じた時、おもむろに頬被(ほっかぶ)りをとって片膝を地について鄭重に聞いてくれたのである。そんな機会に接した時、私はこれぞ正に日本の、本来の婦人の慎ましい姿と思ったのである。
 

解説

遠州・三河路の東海道には未だに感動的な良き風習が残っている。
 八月十一日浜名湖弁天島の宿を早朝出立し、新居(あらい)の関所跡は、未だ薄明かりの静けさの中だった。
そのまま旧東海道を歩くと田舎道に「立場(たてば)」の跡があった。
 街道の駕籠かき等が杖を立てて休んだ所である。
我々が休息しているところへ農家の婦人が通りかかった。
「横浜から歩いてきました」「吟をやりながら」……。
 そして芭蕉の俳句を一吟、聞いて頂く。
「ふるいけやア~ア、ふる…」
 さて、吟じながらアレレ何か勘違いされたかな、と一瞬思った。
おばさんは頭の手ぬぐいをとり、その場で腰を下ろし片膝を着き、首筋を立てて、一方の膝に両の手をそっと重ねた姿になったではないか。
吟じ終え、ともかく丁重すぎる姿勢に恐縮して御礼を言った。
 ところが翌十二日豊橋から岡崎の世尊寺へ向かう途中のことである。
藤川十王堂という神社の入り口には立派な芭蕉の句碑がある。
途中で迎えてくれた三河岳精会高木夫妻らと共に辿り着くと、境内を掃いている婦人がいた。
挨拶もそこそこに聞いてもらうことにした。
「ここも三河むらさき麦のかきつばた 芭蕉」。
 腹一杯吟じながら婦人の動きがはっきり見て取れた。
何と同じである。
 今度は腰を下ろしながら手に持った箒をそっと側に置いて背筋を立て、手を添えて片膝をつき、顔をうつむき加減にした姿は何と清浄で奥ゆかしいことか。
 こちらの心が洗われた。
私とあまり歳も違わないだろう。石原治子さんと言った。

 昼食にした。と言っても私共はご馳走になるばかり。
高木夫人の手作りのおにぎり、そして石原さんが家から持ち出したお茶をすすった。
疲れがいい気持ちで体外へ昇華していくような気分を味わう。気力もぐっと湧いてきた。

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