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漢詩で綴る旅だ
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東海道・山陽道 > 第十節 > 五十 軒を借る

旅: 「東海道・山陽道」 第十節

岡山 → 倉敷 → 福山 → 尾道 → 本郷 → 西条 → 広島 → 宮島口 → 岩国 → 熊毛 → 新南陽 → 小郡 → 厚狭 → 門司港 → 八幡 → 帰宅

五十 軒を借る

o雲将…雲の神。

o油然…雲が盛んに湧き起こる様。

o過ぎる…よぎる。さる。たちよる。

o殷々…雷の音。

o長嘯…声を長く引いて歌う。

o 飄零…おちぶれる。

o漸次…だんだんと。

o遒る…迫る。

o正気…正大の気。古人の作詩した「正気の歌」を云っているのではない。

詩意

 雲の神が現れて天に墨を吐いたかと思うと、雷の音は耳をつんざくように爆発音を轟かし、雨はたちまち川となった。
 雷雨から逃れ、軒端を借りて吟ずるうらぶれた旅の者。吟ずるうちに段々と真に自分の正大の気を呼び起こす吟となってきた。

解説

八月十日、広島市に入る日である。
西条から山を縫って、やがて西南に長く国道二号線をたどった。
 上瀬野町・一貫田・瀬野駅前・中野東・安芸中野と続いている。
「旧山陽道中野(なかの)砂走(すなはし)り出迎(でむか)えの松(まつ)」
旧道や駅付近の小さな町に入ると、旧街道の面影が見られた。
もう広島へ着くのだと気持ちよく歩いた。

 しかし、どんなことが起こるか解らない。雲行きが急変した。
晴れから曇りへそして暗雲が覆ってしまい、最後には雷が発生し、とうとう大粒の大雨が何かをひっくり返したように降ってきた。
青山氏と私は通りがかりのスーパーマーケットに入った。
格好が格好なので、我々は入り口付近の軒下に雨をしのぐことになった。
上空に稲妻がビビッと光ったと同時に天を揺るがす雷鳴が爆発した。
何度も何度も景気よく雷は鳴った。

 コンクリートに激しく跳ね返る雨足を見つめていると、子供連れの若いお母さんが、
「中に入られたらどうですか?お店の人はどうぞといってますよ」
 と言ってくれた。私は吟を聞いてもらった。

 それからも広島市街へは近くて遠い道のりだった。
休むとその後の歩きは却ってきついものだ
 今思えば町の中の、
「坂を越えたらもう広島ですよ」
と教えられた所は、地図で見直すと「船越峠」とある。
疲れた上に息を弾ませながら一気にかけ上ったのは、昔は立派な峠だったのだ。
ほんとにきつかった事を覚えている。

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