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漢詩で綴る旅だ
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東海道・山陽道 > 第十節 > 六十 小郡を辞せんと欲して作有り

旅: 「東海道・山陽道」 第十節

岡山 → 倉敷 → 福山 → 尾道 → 本郷 → 西条 → 広島 → 宮島口 → 岩国 → 熊毛 → 新南陽 → 小郡 → 厚狭 → 門司港 → 八幡 → 帰宅

六十 小郡を辞せんと欲して作有り

〇忽如・・・突然

〇足心・・・土踏まず

〇龍庭・・・旅の最終目的地である龍吟堂。北九州市八幡区に在。

〇三舎・・・古代中国の軍隊の三日の行程。

〇伴友・・・同道の友。

詩意

出発しようとしてどうしても歩くのが無理だと認識した。朝起きて突然に足の土踏まずに激痛が走ったのだ。

目的地の龍吟堂はこれよりあとたった三日の行程という処である。同道の友、坂井さんはホテルを出たところで、しきりに私の足をもんでくれた。

解説

平成十三年八月十六日、この日は小郡から厚狭まで三十キロ弱の予定。

朝起きてすぐ足の異変に気付いた。階段を下りてロビーに降りたときは、足の甲が「しもる」ような感覚になった。自分にしか解らない危険状態だ。案の定、つま先でしか歩けなくなり、ホテルを出て十歩も歩かないうちに足が着けなくなった。

何回となくこれを経験している。症状の出方は変化しているが頸椎損傷の後遺症だ。自分の大変だったことは、後になってどんなに大変だったか解る。首が回らず、背もたれに凭れる姿勢がとれず、左の手には常にしびれが現れ、寝床にはごろりと仰向けになることが出来ず、従って眠りは常に浅く、眠れず起きれず端的に言えば、寝床では夜も朝も地獄の思いだった時期があった。何年も続いた。顔色は健常人と変わらない。

その後名医を知る所になり、ひどい症状はとれた。   「でも強い肩こりは生涯付き合わねばならないでしょう」  しかし、しびれもなく、ごろんと横になり、何年ぶりかですやすやと眠りにつけた。今想い出しても、あのままだったらどうなっていただろうかとぞっとする。

私は足の痛さより、これで引き返さなければいけないのかと少々寂しい思いにかられた。もう仕方ないかと断念した矢先、坂井さんが足の裏を揉んだらどうだと、盛んに揉み始めた。

そして揉むこと一時間余、何だか少し希望が持てるかのようになった。おそおるおそる靴を履いた。

「あっ、立てるぞ」

「ひょっとしたら歩けるかも知れない」

何とか歩けた。そしてそのまま、その日も歩き通したのである。ああ、この歩き旅、独りでは歩き通せなかったのだ。

その後、この治療に関していよいよ人生の出会いを得ている。

 

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